暗号技術の入門、実用書
ついに自動車業界にもサイバーセキュリティ機能開発の大波がやってきています。
「公開鍵暗号」とか「PKI」とか「電子証明書」とかIT業界の技術がたくさん登場してくるのですが、Webで検索をかけても断片的な知識しかえられず、わかったようでわからないモヤモヤ感。そんな方たちのために、最短距離でモヤモヤ解消の手助けになりそうな本を紹介します。
セキュリティって開発プロセスへの影響範囲がとてつもなく大きいのですが、困ったことに関係部署は主体的に理解する気がサラサラなく、誰かが丁寧に説明してくれるまで口をあんぐり開けて待っているだけだったりします。そんな関係者を納得させる資料作りにもきっと役立つと思います。
最初は概要レベル、あとに行くほど実装寄りです。
- 一般的な読み物。数式がほとんど出てこないので、頭の中でイメージを作るのにおすすめ。
- この界隈でわりと有名な入門書。数式が出てくるけれど、わかりやすく噛み砕いて説明してくれているので読んでいて苦にならない。
- ただし、網羅度は少し低め。開発に必要な知識という点では少し足りない。
- これも数式が出てきますが、少なめ。
- 暗号技術入門との違いは、こちらのほうが学術的であり、実用的なトレンド技術の解説が少なめである点。
インターネット暗号化技術―PKI、RSA、SSL、S/MIME、etc.
- 作者: 鈴木春洋,若山公威,杉江修,村瀬晋二,奥野琢人,高須紀樹,岩田彰
- 出版社/メーカー: ソフトリサーチセンター
- 発売日: 2002/05
- メディア: 単行本
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- 自動車業界で必要になりそうなアルゴリズムを網羅している。解説も数式が入って、具体的。一冊持っておけば困らないと思われる。たとえば、CMACの解説とかなかなかないんですよね。
Javaで作って学ぶ暗号技術 - RSA,AES,SHAの基礎からSSLまで
- 作者: 神永正博,山田聖,渡邊高志
- 出版社/メーカー: 森北出版
- 発売日: 2008/05/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ちなみに、自動車のサイバーセキュリティ対策はまだ始まったばかりで、各社まだ温度差がかなりあります。日本国内はわりと探り合いしている状態ですが、欧州の某高級自動車メーカーはすごい力の入れようです。