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地方の科学館から、指定管理者制度を考える その1

地方都市の科学館にはなぜ幼児ばかり集まってくるのか、科学館ではなく実質的に子育て支援施設として運営しているのはなぜか。
指定管理者制度について地方都市の科学館を例に考えてみたいと思います。
 
 
規制緩和の影響が表面化
 
小泉政権でさまざまな業界に対して規制緩和政策をおこなったことで、過度のコスト競争が発生し、問題が表面化してきました。
 
2016年に発生した信州スキーバス事故ではたくさんの方が亡くなりましたが、これはバス事業規制緩和が原因といわれています。
 
 
2015年度は武雄市TSUTAYA図書館の管理運営が明るみになりましたが、これも規制緩和の一環で指定管理者制度というものが導入された結果です。
 

 
図書館以外でも、行政が管理運営していた公共施設は指定管理者制度による管理運営が行われています。

 
今回取り上げている科学館もそうです。
 
指定管理者制度による影響について、地方都市の科学館を例に考えてみましょう。
過度のコスト削減により科学館としての役割が担えなくなっているかもしれません。
  
 
 
あなたが訪れた科学館で、こんなことに心当たりはありますか?
  • 「そうだったんだ!!」という、新しい発見がありましたか?
  • 新しいものの見方ができるようになりましたか?それによって毎日の生活が楽しくなりそうですか?
  • 展示物は理解できましたか?展示解説してもらったことはありますか?
  • 中高生は来館していましたか?
  • わざわざ科学館まで足を運んだけど、よくよく考えたら近所の百貨店のイベント会場でも似たようなことをやっていた!
  • 連れてきた子供は楽しそうにしている。ではあなた自身は?
 
 
 
指定管理者による科学館運営の現状は?
信じられないかもしれませんが、科学に関心の薄い事務職員が科学館の管理運営をしている、ということも実際にあります。 
 
地方行政が運営する科学館事業の予算は税金です。しかも、予算の大半が回収不可能な大赤字の事業です。
 
科学に関する専門家が雇えなくなったことで本来は中高生向けに使われるべき予算が、字も読み書きできないような幼児をターゲットに集客目的のイベントをすることに使われています。
 
展示更新、リニューアルについても企画自体が不透明なプロセスで進められ、作った後に妥当性の評価をしていません。こうして一部関係者の思いつきで事業が進められていることが、無駄なハコモノが作り続けられる原因になっています。
 
このような施設を、科学館としての予算(税金)で維持する意味はあるのでしょうか。
 

 

指定管理者制度ってなに?

従来は行政が運営していた公共施設に対して、「民間業者の能力を活かした市民サービスの向上」という名目で管理運営を民間業者に委託する指定管理者制度が導入されました。
 
実質は行政のコストの削減が目的なので、制度を導入したから市民サービスの向上が見込めるかといえばそういうわけでもなく、既に制度が導入されてから十数年が経とうとしていますが非常に問題点の多い制度であることが当初から指摘されております。
 
 
 

博物館ってなに?

博物館に関係する法律として博物館法があります。
博物館にもいろいろ種類があり、○○博物館といわれているものはもちろん博物館ですが、水族館や動物園も博物館に分類されていることはあまり知られていません。
 

博物館法には「博物館は原則無料(入館料や資料の利用に対する対価をとってはならない)」ことや「専門の学芸員を置く」ことなどが規定されています。

博物館法 - Wikipedia

 

博物館のランク分け

博物館にはランクのようなものがあり、大きく分けて
  1. 登録博物館、博物館相当施設
  2. 博物館類似施設
に分けることができます。1には博物館法が適用されますが、2には適用されません。

1.博物館の概要:文部科学省

 

ただし、博物館法が適用されない博物館類似施設であっても、地方自治体で独自に条例を定めている場合があり、条例に沿った適切な運営が行われるような仕組みがあります。

(愛称:バンドー神戸青少年科学館) 
 
 
概要はこんな感じです。
次回からは問題点についてもう少し突っ込んで考えていきたいと思います。
 
 
 
 

公共施設に行ってみてダメだと思った時には

もう二度と行きたくない!と思った方は、トップに直接感想・意見を出してください。
 
 
神戸市の場合は「市長への手紙」というものがあります。

http://www.city.kobe.lg.jp/information/mayor/letter/

この際、「XXと一緒にYYに行ったが、ZZだったので楽しくなかった」という程度で十分で、それ以上の改善提案をする必要はありません。改善案を考えるのは行政の担当者の仕事です。

 
SNSや口コミサイトに感想を投稿されている方がたくさんいらっしゃいますが、行政はこれらのサイトをチェックしておりません。行政は利用者からの直接の指摘がなければ現状の運営で一切問題ないというスタンスで、残念ながら自ら改善していこうとする意識が非常に低いです。

 

 もう2度と行かない!と思っただけでは無駄な税金を取られ続けるだけです。行政に対して発信することで利用価値ある、活用できる施設に変えていきましょう。

 
 
適正な運営が行われていない不人気の施設は長期的にみて人がじわじわと減っていき、それに気づいた行政がいずれは重い腰を上げるようになりますが、その期間の税金が無駄になります。また、そのような施設の指定管理者に対して指摘をしても管理者の都合でなかったことにされる可能性もあります。
行政側の迅速な行動を促すためにもトップに対して直接声を上げることが重要です。
 
神戸市フルーツフラワーパークの事例。
指定管理者制度を導入していたが、入館者数の現象に歯止めがかからず神戸市が運営に強制介入した)
 
 
 
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